プラズマ質問箱
No.012
SiGeを使った積層構造について
半導体
次世代半導体デバイスとしてナノシートの縦積みトランジスタの製造プロセスに、SiとSiGeの積層構造で積み上げていき後からエッチングでSiGeだけを抜くといったプロセスがあると以前のサタデーモーニングプラズマ講座で説明されていました。SiGe以外にも抜きやすい材料があるとおもうのですが、なぜSiGeを使って積層構造をつくるのでしょうか。
質問者情報
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職業
企業 その他
氏名(ニックネーム)
サタモニ参加者
回答1
このナノシートトランジスタに要求されることはいかに結晶性が高く、結晶欠陥が少なく、表面荒れが小さいSi層を形成することだと思います。SiGeはトランジスタとして長らく使われている材料であり、Si上にSiGeあるいはSiGe上にSiをエピタキシャル成長させるプロセス技術やノウハウがすでにあることが大きな理由だと思います。例えば、ひずみ歪みシリコンといってSiGe上にSi層をエピすることで、そのSi層の原子間距離を伸ばして電子移動度をあげる技術が実用化されており、こういったSiGeとSiの積層構造のプロセス技術がすでに確立されており、SiGeを用いることでSiのナノシートを結晶欠陥を少なく、フラットな表面のSi層をエピ成長出来るということです。
回答者情報
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職業
大学教員
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所属
名古屋大学低温プラズマ科学研究センター
氏名(ニックネーム)
堤