名城大学 総合研究所 次世代バッテリーマテリアル研究センター
エネルギー
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研究グループ
名城大学 総合研究所 次世代バッテリーマテリアル研究センター
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記事掲載日
2025年12月
容量3倍で長寿命な次世代の全固体Liイオン電池実現へ -新たなGe複合負極の開発に成功-
名城大学 総合研究所 次世代バッテリーマテリアル研究センターでは、プラズマスパッタリングプロセスを用いて高容量が期待できる半導体ゲルマニウム(Ge)とリチウム(Li)イオン伝導性を持つ固体電解質 LiAlGePOを複合化した新規負極を開発しています。この負極を用いたLi イオン電池で、従来の約3倍の高容量1000 mAh/g以上を劣化なく駆動することに成功しました。
小型で軽量なLiイオン電池を実現するためには、Liイオンを大量に取り込める高容量負極の開発が必要です。Geは高容量負極の有望材料ながら、充放電の際に膨張と収縮を繰り返すことで負極に亀裂や剥離が起こり、容量が急激に低下するという課題があります。この問題を解決するために、この研究グループではバインダー(有機接着剤)を用いないプラズマスパッタリングプロセスで、非結晶GeとLiAlGePOを組み合わせた複合材料の電極を開発しました。具体的には、1) Ge 層を LiAlGePO層でカバーした構造、2) GeとLiAlGePOを混合した構造を考案し、両構造で799、1074 mAh/gという高容量を300サイクル以上劣化なく駆動させることに成功しました。現在、この新規Ge複合負極を次世代の全固体Liイオン電池でも実験を継続中だそうで、今後の展開にも注目です。
※本記事は以下のプレスリリース【容量3倍で長寿命な次世代の全固体Liイオン電池実現へ -新たなGe複合負極の開発に成功-】をもとにした紹介記事になります。
研究詳細(プレスリリース本文)はこちら
https://www.meijo-u.ac.jp/news/asset/990b9f2b7f87cade7736c1d144e99c05_1.pdf
各WEBメディアでの紹介記事はこちら
・NIKKEI Tech Foresight
名城大学、全固体電池向けゲルマニウム複合負極 容量3倍 - 日経テックフォーサイト
・EE Times Japan
リチウムイオン電池の容量が3倍に 新規負極を開発:全固体リチウムイオン電池にも応用 - EE Times Japan
・日刊工業新聞

