プラズマソサエティについて

プラズマソサエティの基本理念とビジョン

1928年6月21日は、何の日か知っていますか?

ラングミュア博士(Irving Langmuir)が、電離気体あるいは放電現象を「プラズマ」と命名した日です※1。
プラズマは、ギリシア語で「形作る」を意味する「πλασμα」を語源としています。
これ以降、放電現象は、プラズマと呼ばれています。

現在、プラズマは、物理、化学、電気電子、量子、機械、医学、農学など、様々な分野をつないで融合することで、半導体、機能材料、環境、医療、農業などに革新を起こし、新たな価値を創造し、社会にその結実を伝搬させています。
まさに、新しい領域を「形作る」という点で語源そのものです。

Irving Langmuir
アーヴィング・ラングミュア

ラングミュア博士も、白熱電球の寿命の延長、ラングミュアの吸着式の提案、水素プラズマの研究、静電探針を考案、高真空水銀ポンプの発明、真空計の発明、ルイス-ラングミュアの原子価理論(オクテット則)、白金の触媒作用の研究、単分子膜(ラングミュア・ブロジェット膜:LB膜)の研究など、物理、化学から機械に至る様々な分野で、発明発見を為し遂げています。最後は、人工降雨の実験(1946年)に挑戦しています。まさに、ラングミュア博士の好奇心溢れる魂とそのアクションは、プラズマが多様な分野に起爆剤として作用し、多様な発見・発明を産み出す源であるのとよく似ています

宇宙の99.9%がプラズマである、半導体製造工程の80%以上でプラズマが使われている、身の回りのほぼすべての製品でプラズマが貢献している、二酸化炭素をアルコールに変換できる、新たな医療や農業や水産業を生み出そうとしている、
SDGsの17の目標の内、15でプラズマが貢献できる・・・・プラズマは、まさに未来を切り開く打出の小槌です。
このようなプラズマを理解したい、プラズマでいろいろなものにチャレンジしたい、プラズマで新たな価値を創造したい、プラズマで人生を豊かにしたい・・・・

しかしながら、これを叶える場が、日本にはありませんでした。

そこで、我々は、まず第一歩として、先進半導体プラズマプロセスコンソーシアム(CASPP)の活動を拡大、発展させて、プラズマ科学全般を対象として、誰でも気軽に参加できる「ソサエティ」を作りました。

創設は、2022年6月21日です。

95年の時の流れを経て、ラングミュア博士がプラズマを命名した日を創設記念日として、プラズマの活動の場を「ソサエティ」に置きます。
もちろん、今後、このソサエティをさらに発展させていきます。

私たちとともに、好奇心や知恵を形にしながら、一緒になって活動し、
プラズマで人生を豊かにしながら、人類の永遠なる発展に貢献しましょう!

※1 Langmuir, I. (1928). "Oscillations in Ionized Gases". Proceedings of the National Academy of Sciences. 14 (8): 627–637.
Except near the electrodes, where there are sheaths containing very few electrons, the ionized gas contains ions and electrons in about equal numbers so that the resultant space charge is very small. We shall use the name plasma to describe this region containing balanced charges of ions and electrons.
電極付近の電子の少ない鞘を除いて、電離したガスにはイオンと電子がほぼ同数含まれており、空間電荷は非常に小さくなっています。
このようにイオンと電子がバランスよく電荷を持つ領域をプラズマと呼ぶことにする。