出会いが育む、私だけの研究のかたち 更新日:2025.6.5
半導体
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氏名(ニックネーム)
小野 晋次郎
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所属
九州大学大学院システム情報科学府電気情報工学専攻
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学年
D2
現在の研究生活
私は現在、九州大学大学院・古閑研究室の博士後期課程に在籍しており、2024年4月よりこの道を歩み始め、2025年の今、2年目を迎えています。私の研究の根幹には現代社会の発展を支える半導体技術への貢献があります。半導体の微細加工、とりわけサブナノやサブマイクロスケールにおけるプロセス技術において、プラズマはまさに唯一無二の存在です。エッチングや薄膜堆積といった加工は、様々な原料をプラズマ化して行われますが、その中で生じるイオンやラジカルといった多種多様な化学種の挙動や相互作用は、依然として謎に満ちています。私は、これらの反応性種の生成や輸送過程を制御し、より精密かつ高機能な加工技術を実現するため、日々、材料探索や材料設計に取り組みながら、指導原理の構築に挑んでいます。

この研究活動の中で、国際的な学術交流の機会にも恵まれています。特に現在は、台湾・陽明交通大学(NYCU)の研究グループとの共同研究を通じて、現地のポスドク研究者と日々議論を重ねています。台湾は、世界最大の半導体ファウンドリであるTSMCを擁する半導体大国であり、その中枢とも言える環境で研究に取り組めていることは、私にとって大きな刺激であり学びの連続です。プラズマ技術は物理、化学、材料科学といった異分野が交差する学際領域であり、まさにその最前線に身を置けていることを実感しています。
文化の違いや生活習慣のギャップに戸惑うことも時にはありますが、それらも含めて自分の感性を常にアップデートしながら、より柔軟な視野で研究と向き合う日々を送っています。
将来の目標
将来の目標について、今この瞬間に「これになりたい」と言える明確なビジョンがあるわけではありません。しかし、博士後期課程への進学を決めた理由の一つに自分の将来の可能性をより広げたいという想いがあります。工学の道に進んだ以上、研究を通じて社会に価値を還元しながら、それを自身の生業として成り立たせていきたいということが、私にとって重要な目標の一つです。
正直なところ、ここまで学会や研究で国内外を飛び回るような日々を送るとは、数年前の自分には想像できませんでした。ですが、今はそうした多くの場と人との出会いこそが、自分の視野を広げ、研究の深みを増してくれると確信しています。そして、これからも経験を重ね、信頼できる仲間や協働者とのつながりを育みながら、自分にしかできない研究のかたちを模索していきたいと考えています。
